Wednesday, August 12, 2009

ソフト音源 - EFM1に挑戦!(第3回)

ソフト音源 - EFM1に挑戦!(第2回)に続いて、EFM1のパラメータについて
確認していきたいと思います。

まずは、第2回の最初と同じように正弦波が出るベーシックな状態に戻してから
スタートです!



■ Fixed

CarrierだけにあるFixed というパラメータを使ってみることにします。

これをクリックしてオン(赤く点灯)にします。
また、この効果を確かめる為にCarrier の Harmonic を1に変更します。


実際に音を出すと、12音階の音程感がなくなりますよね。
少しは変化しますが、フラットな感じです。

マニュアルには、キーボード操作に加えてピッチベンドやLFO変調からも
切り離されるとあります。

Modulator 側の発信音は、MIDIのノート情報で音程が変わるのですが、
Carrier側の波形がFixされて外からのMIDI情報を無視するようになって
いるためにこのような音になるのでしょうね。

音程感の無い効果音などを作る時に適しているように思います。

Fixedをクリックしてオフにし、またCarrierのHarmonicを0にして次に進みます。

■FMパラメータ

画面の真ん中部分がFM(周波数変調)に変化を与えるパラメータになっています。


・FM

 変調の強度をコントロールするつまみだそうです。
 左にまわすと弱く、右に回すと強くなり、倍音成分が豊かで明るい音になります。

 マニュアルには、実際の処理は違うけれどFilter Cutoff と似た働きと書いて
 あります。確かに es-e で勉強した Low Pass Filter の Cutoff周波数を変えて
 いく Cutoff パラメータと同じような音の変化が得られました。

 仕組みは良くわかりませんでしたが、とりあえず半分程度のメモリと、
 一番右にまわした時の波形をとってみました。

 

 
 
・Modulation Env (Envelope)

 まずは es-e に出てきた ADSR エンベロープのおさらいからです。

 A: Attack Time・・・鍵盤を押してから最大レベルまで到達する時間
 D: Decay Time・・・Sで設定される持続レベルに至るまでの時間
 S: Sustain Level・・・鍵盤を押している間のレベル
 R: Release Time・・・鍵盤を離してからレベルがゼロになるまでの時間

 es-e の時は A と R だけでしたが、今回は4つ揃っていますね。

 ここで設定するエンベロープは、次の FM Depth と Modulation Pitch で
 使用されます。

・FM Depth

 エンベロープに沿って、FM強度を変化させます。

 真ん中の0をクリックすると変化の割合がゼロ(効果なし)の状態になり、
 右に回すとエンベロープに沿ってFMが強まって倍音成分が豊かになる度合いが
 強くなります。

 左に回すと、反対の効果で、鍵盤を押した直後に強度が強い状態からスタート
 して徐々に弱くなっていくような、エンベロープを上下逆さまにしたような
 効果が得られます。

・Modulation Pitch

 今度はModulator(変調波)側のピッチをエンベロープに沿って変化させます。
 FM Depth と同じ様に右に回すとその効果が強くなっていき、左に回すと
 逆さまのエンベロープに沿ったような変化の効果を得ることができます。

 では、またベーシックな状態に戻して、先に進みます!

■LFO

LFO (Low Frequency Oscillator)は低周波の発振装置で、このゆっくりとした周期で
変化する信号を用いて、オリジナルの波形に変化をもたらします。

エンベロープも同様に、波形にゆっくりと変化を与えるものですが、エンベロープが
1回の打鍵で完結するのと異なり、鍵盤が押されている間は定期的かつ継続的に
変化を与えるところがLFOの特徴です。

 効果がわかるように、Rate のパラメータを左の様に変更しておきます。

・Vib/FM

 es-e の Vib/PWM パラメータとほぼ同じような機能になります。

 左にまわすとピッチがLFOに沿って変化し、ビブラートの効果をもたらします。
 右にまわすとFM強度がLFOに合わせて変化し、定期的に倍音の含まれ方が変化します。
 また、真ん中(真ん中の0をクリック)で効果が無しとなります。

・Rate

 右に回すに従ってビブラートもしくはFM強度変化のスピードが早くなります。

■出力セクション(左)

出力を制御する各種パラメータです。

・Sub Osc Level
 
 EFM1には1オクターブ下の正弦波を生成するオシレータが備えられていて
 その出力の大きさをこのつまみで調整します。

 FM音源はクリアで軽めの音がでるイメージですが、このSub Osc で少し
 厚みのある音を作れそうです。

・Stereo Detune

 EFM1には2つのFMエンジンが搭載されていて、片方の信号のピッチを少し
 ずらして(ディチューン)重ね合わせて音の奥行きを出す効果を得ることが
 できます。

■出力セクション(右)



・Volume Envelope

 es-e の場合は、Cutoff の変化もボリュームの変化も一つのエンベロープで制御
 されていましたが、EFM1はボリュームには別のエンベロープが用意されています。

 このエベロープに沿って音量が変化します。

・Main Level

 単純にボリュームを変更するつまみです。

・Velocity

 鍵盤の押す強さ(MIDIのベロシティ値)に応じて効果を変化させる度合いを
 設定します。一番左でVelocityの影響ゼロとなり、右に回す程ベロシティへの
 感度が強くなります。

 影響を受けるのは、ボリュームはもとより、FM強度や、Modulation Pitchも
 対象となっているようです。

■その他

・Unison

 

 マニュアルでは、Unisonをオンにすると「二つの声部で同じ音声を生成して
 重ね合わせ、厚みのある音を出せる」と書いてあり、このため本来MAXの同時発音数
 は16なのですが、Unison を使うと半分の8になるということです。

 ここで疑問が二つ

 1.試してみたのですが、UnisonをONにしても16同時発音できているようなのです。
 2.Stereo Detune との関係は?

 下の波形はUnisonをONにした時のステレオ左右の波形で、位相が少しずれています。
 これで音の厚みを出してるんですね。
 

 Stereo Detune の効果だけを加えると下のように片方のチャネルは原音が、もう片方
 がDetuneで生成された波形が出ている様に見えます。
 

 両方かけるとどうなるかというと、色々な倍音を含む複雑な波形になっているのです。
 

 基本はUnisonは位相をずらし、Stereo Detune がピッチをずらすことなのでしょうが
 内部的な処理は全然わかりませんでした(T-T)

・Randomize

 

 全てのパラメータをランダムに変えてくれる機能です。
 パーセントの値は、ランダムの度合いを示していて、10%以下が適切なようです。
 面白い機能ですよね!
 偶然ほどエキサイティングなものはありません(^ ^)

・MIDI Controller Assignments

 画面一番左下の白い▶をクリックすると、下のようなパラメータ画面が表示されます。
 

 ここではFM強度の変化と、ビブラートの強さの変化を、ピッチベンド等のMIDI
 コントローラに自由にアサインすることができます。

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とりあえず全てのパラメータを触ってみました・・・が、難しいことが多くて
大変でした。

疑問も残ってしまいましたが、とりあえずどのパラメータでどんな変化を出せるか
感覚的に見えたので個人的にOKとします(^ ^;

次回はEFM1の最終回です!

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