Monday, December 14, 2009

ソフトウェア音源・Sculpture の巻(3)

ソフトウェア音源・Sculpture の巻(1)では弦の物理的な特性の設定を、
ソフトウェア音源・Sculpture の巻(2)
では弦を振動させたり、振動を妨害する
オブジェクトと、弦の音を拾うピックアップを見てきました。


今回はピックアップで音を拾ったあとに最初に通る振幅エンベロープを見て
いきましょう(^ ^)

■振幅エンベロープ

振幅ですから音量の変化を決定するエンベロープを設定することになりますね。

下のA・D・S・R の縦のスライダーがエンベロープの設定パラメータになります。
今時のシンセとしてはシンプルなエンベロープですよね。



またまた es-e や EFM1 に出てきた ADSR エンベロープのおさらいです。


 A: Attack Time・・・鍵盤を押してから最大レベルまで到達する時間
 D: Decay Time・・・Sで設定される持続レベルに至るまでの時間
 S: Sustain Level・・・鍵盤を押している間のレベル
 R: Release Time・・・鍵盤を離してからレベルがゼロになるまでの時間

・Attack

変わったスライダですね。スライダが上と下に分割できてしまいます。


なるほど・・・

上の方が最大ベロシティ、つまり鍵盤を強く叩いた時の、音が立ち上るまでの時間
ということで、下の方が最小ベロシティで、鍵盤を弱く叩い時の音の立ち上がり時間
を設定できるのですね。

確かに息で鳴らす金管楽器とかを考えると大きな音の方が、最高音量までにたどり
着くまでに時間がかかりますよね。

ちなみに、上の方が Long と書いてありますから、音が立ち上がるまでの時間が
長いということを意味していますね。

・Decay

これは Attack と違って普通のスライダですね。

これも時間なので、上が Long ということで、サステイン(持続音)のレベルまで
到達するのにかかる時間が上の方ほど長くなります。

・Sustain

今度は音量のレベルですので、上がフルの音量で下がゼロとなっています。
一番上の位置で、鍵盤を押している間の音量が、マスター音量のレベルと同じという
ことですね。

・Release

鍵盤を離してから音が消えるまでの時間です。今度は上の位置が Long、すなわち
音をが消えるまでの時間が長くなるということになります。

■振幅エンベロープのサンプル

実際のプリセットを少し覗いてみましょう。

・パッド系


鍵盤を押すと柔らかく音が立ち上がって、Max まで音量が上がったあとにゆっくりと、
少しだけ音量を落としたサステインレベルに到達して、鍵盤を離すまでその音量を
保って、鍵盤を離すとゆっくりと音が消えていく・・みたいな感じですね。

・ベル系


顕著なのは、「カーン」みたいなアタックの立ち上がりの鋭さですね。
サステインレベルはマックスなのですが、鍵盤を押してても音が小さくなって
いきました。これは弦の物理属性の Inner Loss や 外部の Media Loss も影響して
いるからですね。エンベロープだけで音量の変化が決まるわけではないのです。

・マレット系


ばちで叩く鍵盤打楽器系です。ビブラフォンとか木琴とか・・・
これは Jamaican Mallets というプリセットですが、アタックは強くて、鍵盤を押して
いると音量がゼロになります。
鍵盤を押してからすぐ(ディケイの時間より短く)離すと、サステインレベルのゼロに
ならずに、リリースタイムに合わせて徐々に音量が小さくなるということになります。
この設定の Inner Loss は小さく、減衰が弱くなっているので、このような変化に
なりますが、Inner Loss を大きくするとすぐに鍵盤を離しても音量はゼロになって
しまったりします。

物理的な変化と、電気的な変化の両方を意識しないといけないので、結構複雑です(^ ^;

■ Spread

今日の最後は、エンベロープの右側にある Spread です。


実は、これピックアップのパラメータだったんですね(^ ^;
こんな離れたところに・・・
デザイン的な都合だったのでしょう。

使い方がちょっと変わっています。

・Pickup

これは、ステレオの広がり具合を設定するところになります。

Pickup と書かれている円の下半分をクリックしたまま、上下にドラックすると
水色の点が移動します。

上にドラッグすると L と R に点が別れて、下にドラッグすると点が上に移動して
センターで重なります。つまり上にドラッグすると左右に音が広がり、下にドラッグ
するとセンターに近寄って最後にはモノラルになるという感じです

・Key

これは、鍵盤の位置に合わせて音が左や右にパンされる度合いを設定します。
ピアノのように、鍵盤の高音部は右側の方から音が聞こえて、低音部は左側から
聞こえるというものを再現するものですね。

今度は Key と書かれている円の上半分をクリックしたまま、上下にドラッグすると
水色の点にかかる形で弧に沿った線の長さが変わります。
上にドラッグすると長くなって、パンの度合いが強く、下にドラッグする短くなって
パンの度合いが弱くなります。

----

次回は振幅エンベロープを通った音が向かう次の回路「Waveshaper」です。

ではまた!

Wednesday, December 9, 2009

TIPS for Logic Pro 9: プラグインのエディタ画面

プラグインのエディタ画面って複雑なものになるほど、小さくて見づらくないですか?



液晶モニタのサイズはどんどん大きくなるのですが、エディタ画面は変わらないので、
相対的に小さくなっていますよね(^ ^;

Logic Pro 9 になって、エディタ画面がのサイズを大きくできるようになりました!

左上の「表示」のプルダウンから倍率を選ぶことがきるのです。



でも解像度が変わっていないビットマップをそのまま拡大しているのでジャギーが
目立ちますね(笑

でもかなり作業が楽になりました。ありがとう Logic!

Monday, December 7, 2009

TIPS for Logic Pro: ユーザーアイコンの登録

Native Instruments のKOMPLETE 6を購入してしまい
ました。ネットショッピングは怖いですねぇ(^ ^;

インストールは DVD8枚で、Logic Studio 並みに
大変です(笑

まだ独特のインターフェースに戸惑っていて、Logic Studio
のソフト音源の使いやすさを再認識させられました。

一方で、少し見ただけでも興味深い機能が多く
ありましたし、音のクオリティも良いと思いますので、

うまく使っていきたいですね・・・というより使わないと(^ ^;

■ Audio Units

それぞれの音源やエフェクトはスタンドアローンでも使えますが、私は Logic Pro の
プラグインとして使います。

インストールが終わった後に Logic Pro を立ち上げると、自動的に Logic がこれらを
認識してくれて、プラグインとして使えるようになります。

Audio Units マネージャを使って、うまく認識されているか確認してみましょう。



メニューを選択すると Audio Units の一覧が表示されます。下の画面のAbsynth 5 から
下の Native Instruments と書かれているものが、新しくインストールされたソフトウェア
音源とエフェクトですね。



当たり前なのでしょうが、問題なく進んで嬉しいですね(^ ^)

早速新しい音源を割り当ててみましょう!



チャンネルストリップのI/Oでプルダウンリストを表示させると、一番下に AU 音源
という項目があって、そこから Absynth にアクセスすることができました。



これで、他の音源と同じように Logic Pro で活用することができます。



でもトラックアイコンにぴったりのものがなくて、なんか物足りないですね・・・

というあなたに耳寄りの情報が(笑

■カスタムアイコン

トラックアイコンを作成して、決められたフォルダに入れておくと Logic Pro から選択
できるようになります。

フォルダの場所は決められていて・・・

(ユーザ)/ライブラリ/Application Support/Logic/Images/Icons  です。


                     <クリックすると拡大します>

Logic フォルダの中には Images がなかったので、自分で作る必要がありました。

またアイコンの画像ファイルは以下の条件を満たす必要があるようです。

・透過度情報を保存するためのアルファチャンネルを持っている
・PNGフォーマット(Portable Network Graphics
・ファイル名が3桁の数字(半角)で始まる。例)901abc.png
・128×128ピクセルのサイズ

といっても自分で作るの大変ですよね(^ ^;
ということでフリーで提供しているサイトから、ありがたく拝借しましょう!

例えば Logic Pro Help という海外のサイトなんか良いと思いますよ。
http://www.logicprohelp.com/viewtopic.php?t=2347

ブラウザに表示されたアイコン画像をそのまま Mac のデスクトップに
ドラッグ&ドロップすれば画像ファイルを入手できます。

指定のフォルダにアイコンファイルを保存した後に Logic を起動し直して完了です!

3桁の数字は選択画面の表示順になります。すでにあるアイコンにも3桁の番号が
ふられているようですが、重複した場合はカスタムアイコンの方が優先されるので
あまり気を使わなくても大丈夫です(^ ^)

■トラックアイコンの変更

変更方法は以前書いた「トラックアイコンの変更」を参考にしてください。

こんな感じで新しい Native Instruments のアイコンが選択可能になりました。

   

■失敗談

実は、マニュアルの通りにフォルダを作ったのに、なかなか Logic にアイコンが表示
されないという問題に悩まされてしまいました。

原因は・・・

Images というフォルダをつくるところを images という名前にしていたのです。

頭文字は大文字だったんですね(^ ^;

----

新しい音源についても、機会があればこの場でご報告しますね。
ということで Native Instruments というタグを作ってしまいます(^ ^)

Saturday, December 5, 2009

ソフトウェア音源・Sculpture の巻(2)

ソフトウェア音源・Sculpture の巻(1)では弦の物理的な特性をどのように
設定できるか見てきました。

色々な設定がありましたが、大きなポイントは弦内部の減衰の度合いと物質の硬さで
弦の素材を変化させるというところでしょうかね。

今回は、その弦に力を加えて音を鳴らす部分に注目しましょう。
またまた面白い機能があるようですよ(^ ^)

■準備

 音の変化を確認しやすくするように、まだ使っていない
 効果をオフにしてしまうことにしました。
 Material リングの周りにある以下のボタンをクリックして
 水色からグレーに変わったらオフになったことになります。

 ・Waveshaper
 ・Delay、  
 ・BodyEQ
 ・Filter


■ピックアップディスプレイ



真ん中の緑の線が「弦」の全体、弦の端から端までが表示されている状態です。

・オブジェクト

左端に「1」というタグが見えますが、これが弦を振動させるオブジェクトになります。
オブジェクトというとちょっと仰々しいですが、弦をはじいたり、弦をたたいたりする
物体のようなものでしょうか。

「1」のポジションが、弦のどの場所で鳴らす行為をするかということを示していて、
この場合であれば、左の端の方で鳴らすということになるわけですね。

弦にかかっているオレンジ色の楕円形についてはまた後で詳しく見ていきたいと思います。

次の「2」ですが、今度は上と下に「2」というタグがついています。
この物体には弦を振動させる物体だけではなく、弦の振動を妨害するというタイプの
物体にもなることができます。多分「2」は「1」と異なり、そのどちらにもなり得る
ことから上下にタグあるのでしょうね。

何かの固まりを弦の上に置くような行為も妨害の1例になります。

「3」は下にだけタグがあります。
つまり妨害のためだけの物体になるわけですね。

これら3つの物体(オブジェクト)は物体の種類、オン/オフ、強弱を設定できる
ようになっています。後ほどこれも見ていきますね。

・ピックアップ

次に右側に透明な釣り鐘状の物体がありますが、これは音を拾うピックアップ
だそうです。エレキギターのピックアップと同じですね。

弦のどこにピックアップを置くかによって音が変わってきますので、動かしながら
音の変化を確認してみると面白いです。
中央部分におくと音が太くなるように思いますが、オブジェクトとの位置関係でも
音が大きく変化しますので、試行錯誤のしがいがあります・・・(^ ^;

■オブジェクトの設定(励起)

続いて具体的なオブジェクトの設定についてチェックしたいと思います。



左側の水色の「1」のボタンは、このオブジェクトの ON/OFF になります。
水色で押された状態が ON です。

・Type

 まずチェックすべきは右側中央の「Type」ですね。
 クリックするとプルダウンメニューが出てきます。

 弦を振動させることをマニュアルでは「励起」と呼んでいて、
 全部で8通りの励起の方法を選ぶことができます。

 例えば、Impulse は短い時間の衝撃を与えるということ
 だったり、 Stike であれば打楽器のような打つという動作、
Bow では弦を弓で弾く動作、Blow のように弦を管に見立てて息を吹き込むことも
できます。

2と3のオブジェクトをOFF にして、1だけで実際に試してみると良いと思いますが、
タイプによって音は大きく変化しますよ。ただ、切り替えに少し時間がかかるので、
ので選択してからひと呼吸待つと良いですね(^ ^)

続いて他の設定をみてみましょう。



・Gate

鍵盤の動作と、弦を振動(妨害)させる動作の関連付けになります。

Keyon であれば鍵盤がおされてから離れるまで弾いていることになります。
Always であれば鍵盤が離れた後も、音が消えるまで弾き続けています。
Keyoff では鍵盤が押されている時は何もせず、離れた時に弾くことになります。

なるほど・・・

1で鍵盤が押されたときの音、2で鍵盤が離れた時の音 みたいなことができて、
チェンバロみたいな音も再現できるのでしょうね。なので2つオブジェクトがあるのかな。

・Strength(強度コントロール)

真ん中の大きなつまみで、強さを調整します。
マニュアルにはオブジェクトタイプ毎に 強度コントロールが何を意味するのかが書かれて
いますので、是非一度チェックしてみてください。

例えば、Blow(吹く)だったら「唇の開き具合」ですって。
きっと音量の大小だけではなくて、それぞれのタイプごとの細かなエミュレーションが
あるのでしょうね(^ ^)

ちなみに、ピックアップディスプレイの「1」のタグの下、弦の上にあるオレンジ色
の楕円は、このStrength に応じてビジュアルに濃さが変化します。

・Timbre(音色コントロール)

ハンマーだったらハンマーの質量で、弓だったら圧力、吹くだったら息を吹き込む力
をコントロールするんですって。
力が強く掛かることによって、倍音成分が増えて音が明るくなるということなのでしょう。

なんかオブジェクトの変化を想像しながら触っていると楽しいですね(^ ^)

・Variation(バリエーションコントロール)

これはちょっと難しいですが、オブジェクトのモデルにひと味加えるようなイメージ
でしょうかね。
例えば Pick はピックで弾くということですが、ピックの硬さを Hard や Medium の
ように変えたり、Blow ではノイズの量だったり、 Strike であったらフェルトの硬さ
だったり・・・
オブジェクトに他の要素も加えてモデリングすることで、音色の幅を広げることが
できるのですね。
これもマニュアルの一覧を是非チェック下さい。

・VeloSens(ベロシティ感度)

やっと普通のパラメータです(^ ^;
鍵盤の押す強さで音量変化させる感度をコントロールすることができます。

1のオブジェクトはこんなところですね

■オブジェクトの設定(妨害)

次は「3」の妨害するオブジェクトを見てみましょう。



ぱっと見てほとんど「1」と一緒ですが、VeloSens がないですね。
確かに弦を弾くというオブジェクトは鍵盤と連動していますが、妨害オブジェクトは
それとは無関係に「そこにある」ということですね。

これもやっぱり Type から見ていきましょう。どんな妨害ができるのか(^ ^;

 6つのタイプがあるようです。

 例えば Disturb 2-sided のように弦の上にリングを置くような
 妨害や、弦から少し離れたところに置いて振幅を妨害する
 Bound、ダンパーの効果を出すDamp、Bouncing のように
 固定しない妨害物が弦の振動に合わせてバウンドして
 ユニークな効果を出すものがあります。

これらも「1」と同様に、Strength(強度コントロール)、Timbre(音色コントロール)
Variation(バリエーションコントロール)で、それぞれのオブジェクト独自の音色変化を
もたらすことができます。

・「2」について

「2」については、励起/妨害どちらにもなりえるオブジェクトで、どちらをTypeに
選択したかによって、設定内容が変わりますが、それ以外は「1」や「3」と全く
同じです。

■ピックアップ

今日の最後にピックアップディスプレイの左下にある Invert というボタンを
試してみます。



Invert をクリックして、ボタンの上部に水色の線が表示さるとOn になったことを
意味します。

 名前のとおり、上のピックアップA に対して下のピックアップB
 の位相を反転するということのようです。

 一部音を打ち消し合うようになることで音の厚みが無くなると
 マニュアルには書かれています。

 左のようなピックアップの釣り鐘状の部分が重なり合うケースでは、
 ピックアップした音が干渉し合って、音に変化が出ますが
 Invert になっていると、まさに打ち消し合って音の厚みが無くなり
 ます。

----

励起と妨害、それだけのことですが、そのオブジェクトの種類とパラメータの設定、
それから弦のどの位置でそれを発生させるかで音が劇的に変化します。

普通のシンセでは簡単に出せないような音が作れて飽きませんが、期待通りの音を
作ろうとするのもまた難しそうですね。

とにかく遊び感覚で触るのが一番ということでしょうか(^ ^)

さぁ次回はピックアップで拾った音に色々なフィルタをかけて、さらに音に磨きを
かけていきましょう!

ではまた(^ ^)

→ ソフトウェア音源・Sculpture の巻(3) <執筆中>

Wednesday, December 2, 2009

ソフトウェア音源・Sculpture の巻(1)

予告編から随分時間が経ってしまいました・・・
みなさまいかがお過ごしでしょうか(^ ^;

第1回目のスタートです!

■コンポーネントモデリング

Sculptureは楽器の物理的な各部位、例えば弦や楽器の素材、サイズなどをモデリング
することで音を作っていきます・・・と言い切れる程の知識は持っていませんが(笑
Sculpture の記事が終わるころにはきっと!

沢山のパラメータがありますが、まずは音の源の弦から見ていきましょう。

Sculpture のプリセット音はみんなクセが強いので、まず最初に画面上部のプルダウン
メニューから「設定をリセット」を選んで「#default」という設定を読み込んで
スタートすることにしました。



■弦とオブジェクトのパラメータ

まずは↓の部分に注目してみます。



右側の丸いところが「Material」リングと呼ばれていて、弦の物理的な特性を設定する
部分になります。

そして、左側の長方形のエリアが「ピックアップディスプレイ」と呼ばれていて、弦を
振動させたり、その振動を妨害したりするオブジェクト(物体)の設定と、弦の振動に
より発生する音を取り出すピックアップの設定を行う場所になります。

緑の横棒が弦だそうです。
弦のどこで振動を発生させて、どこに振動を妨害するようなオブジェクトを置いて、
どの辺りで音をピックアップするか・・・なんか楽しいユーザーインターフェース
ですよね(^ ^)

それでは、まず弦の物理的な特性の設定から見ていきましょう!

■ Material パッド

Material リングの中央にある、正方形のエリアが Material パッドと呼ばれているようです。



真ん中の銀色の球をドラッグして位置を変えてみましょう。
劇的に音が変化しますよね。

Y(縦)軸が Inner Loss ということで弦の減衰の度合いを示しています。
上に行く程減衰の度合いが大きくなるということですね。

X(横)軸が Stiffness ということで弦の剛性(硬さ)を示しています。
右に行く程硬くなるということになります。

四隅を見ると具体的な素材が書いてあります。

Inner Loss が大きくて、Stiffness が低いとナイロン素材に、
Inner Loss が大きくて、Stiffness が高いと木質の素材に、
Inner Loss が小さくて、Stiffness が低いとメタリック素材に、
Inner Loss が小さくて、Stiffness が高いとガラス素材になるわけですね。

ということで弦の素材の変更方法が分りました。

ちなみにStiffnss を高くすると、ピックアップディスプレイの緑色の弦が太くなります。
芸が細かいです。

■ Material リング

次は、Material パッドの周りのリング部分を見てみましょう。

 リングの左側に Media Loss
 リングの右側に Tension Mod
 リングの上部に Resolution とあります。

 Media Loss は何でしょう?

 Inner Loss が弦そのものの減衰であることに
 対して、空気や水などの周囲の物質による弦の
 振動の減衰を表すようです。凝ってますねぇ〜
 上にドラッグすると減衰が強くなります。
 例えば水の中に弦を入れて鳴らしているような
 イメージなのでしょうね。




続いて、Tension Mod (Tension Modulation) です。

ちょっと難しいのですが、ギターの弦などを弾いたときに弦が大きく振動したときに
瞬間的に音程が上にずれるそうです。これをシミュレートするのがこの設定です。
上にドラッグすると上ずれが顕著になります。これも凝ってますね!

3つ目の Resolution は何でしょう?

高調波すなわち、倍音の含まれる割合を調整するものだそうです。
右側の方にメモリをドラッグすると倍音が多く含まれ明るい音になっていきます。
やっとシンセらしいパラメータが出てきました(^ ^;

今日の最後はリングの下部にある3つのボタンをチェックです。

■ Hide, Key scale, Release

・Hide

Hide は、誤ってパラメータを変更しないように、Key scale や Release を押すと出てくる
パラメータを隠すものです。

・Key scale

Key scale をクリックしてみます。

 操作画面がにぎやかになりました。

 緑の Low と水色の High という文字が表示
 されましたね。

 LowとHighは何を基準にしているのでしょう。

 それは真ん中のド、すなわちC3をより下か
 上かを意味しています。

 先ほどの Media Loss, Tesion Mod, Resolution
 全てについて、C3より低音の場合と、C3より高音
 の場合で変化を付けることができるわけです。

 楽器の特性に合わせた設定もできますし、

低音部分は水の中で、高音は水から出ているみたいな普通ない状況もシミュレートできるわけ
ですね。

Inner Loss と Stiffness すなわち弦の素材も同様に変化を付けることができます。



銀色の球にかかる横と縦の線をドラッグすると、簡単に水色(高音)と緑(低音)の
菱形のマークが現れます。
それぞれの位置を動かすことで低音部はナイロンで、高音部は金属の素材なんてことも
シミュレートできることになります。

・Release

キーをリリースした時の弦の振動に影響を与えるそうです。



今度は高音、低音というのはありません。変更できるのは Material での Inner Loss と
Media Loss だけのようですね。

キーをリリースした時の減衰の度合いを調整できることになります。

----

設定が細かいです。
まだ10分の1ぐらいでしょうか(^ ^;

次回はピックアップディスプレイを見ていきたいと思います。

ではまた!

→ ソフトウェア音源・Sculpture の巻(2)

Tuesday, November 24, 2009

ソフトウェア音源・Sculpture の巻(予告編)

22日の日曜日にとても久しぶりのライブがあってが今月は停滞気味でしたが、
色んな刺激も受けて気持ちも新たにがんばりたいと思います(^ ^)

ということで、今回は大物ソフトシンセの Sculpture を自在に操れるようになるべく、
またまた無謀とも思える挑戦をしたいと思います(^ ^;



この面構えからして、相当な覚悟が必要とお見受けします (- -;

■ Sculpture とは

今まで減算方式の es-e 、FM方式の EFM1 と見てきましたが、Sculpture はこれらと
異なるタイプのシンセサイザーになります。

「振動中の弦の物理的な特性をシミュレートしてサウンドを生成する」とマニュアル
にはあります。

楽器の物理的な各部位、例えば弦や楽器の素材、サイズなどをモデリングすることで
音を作っていくのだそうです。

このため、この手法はコンポーネントモデリングと呼ばれています。
Sculpture は「彫刻」という意味なので、いかにも楽器を削り出していくような
感じで音作りをしていくのでしょうね。

現実にない楽器をモデリングすることも可能になるということで面白そうですよね(^ ^)

----

さぁ始めてしまいましたので、後には引けませんね(笑

→ ソフトウェア音源・Sculpture の巻(1)

Monday, November 16, 2009

KOMPLETE 6 ってどうですか?

気になっている製品があるのです。

確か以前10万円以上していて、とても手がでなかった
Native Instruments のソフトウェア音源パッケージ
KOMPLETE が6にバージョンアップして59,800円前後で
販売されているんです!

十分高いけど半額程度になるとなんか凄く安くなった感じ
ですよね。Logic Studio と一緒です(笑

確か今年の夏に、前のバージョンが同様に5万円台?
で販売されていましたよね。ぐっとこらえていました。

この手のソフトも価格破壊が進んでますね。ユーザーには嬉しい限りです。

「Logic Studioがあれば十分でしょ。ほとんど似たような音源じゃない」なのか
「Logic Studio の音の傾向と違う音源を持っていると、音楽に幅がでそうだよね」
なのか(笑

以下のサイトからデモを聞くことができました。
http://www.native-instruments.com/#/jp/products/

果たして私は冷静さを保てるのか、それとも買ってしまうのか?
うーん(- -;

Monday, November 9, 2009

MainStage for the Blog(第6回)

いかん!前回から随分時間がたってしまいました(^ ^;

MainStage はあともう一歩!今回は Playback の設定です(^ ^)

■Playback の準備

Playback は簡単に言ってしまうと、「ライブ演奏の中で、事前に用意しておいた
オーディオファイルを演奏に合わせて再生する」機能ですよね。

でも結構奥が深いです(^ ^;

とりあえず特定のパッチに Playback を設定することにします。
事前に用意してある Clav & Voice をクリックしてパッチレベルで作業開始です。



ちなみに、コンサートレベルやセットレベルで設定すれば、Playback の再生を継続
しながら、パッチを変更することが可能になります。
面白いことができそうなことは想像できますが、今回は1曲1パッチで考えていました
ので、パッチレベルで完結する形で Playback を準備したいと思います。

Loopback はエフェクトの一種でしたが、Playback はソフトウェア音源の一種として
扱われます。とりあえず納得です。

チャンネルストリップ・ウィンドウの右上の「+」をクリックして新しいチャンネル
ストリップを作成します。

作成するチャンネルストリップは「ソフトウェア音源」ですね。



続いて、Playback の設定です。
I/Oの input のボックス(作成直後にEVP88になっているところ)をクリック&ホールド
することで音源の選択が可能になりますので、下の方にある Playback を選択します。



設定すると Playback が姿を現します。



Loopback と同じ様なインターフェースに、独特の青みが強い存在感を感じさせますよね。

それでは、実際にオーディオファイルを読み込んでみましょう。

■ Playback に音源を読み込む(Apple Loop)

慣れるために身近にある音源を使って動作を確認してみることにしました。
まずは Apple Loop を使ってみましょう。

・音源の読込み

ソフト音源 - EXS24 に挑戦!(第1回)のように Logic で適当な音源を選んで・・・
音源は ライブラリ>Audio>Apple Loops> の中にあります。



右上のアクションメニューから Open File を選択して読み込んでみましょう。
とりあえず上のパスにある 2-Step Ahead Piano 01.caf を選択してみます。



音源が読み込まれて波形が表示されましたね(^ ^)

・トランスポートボタン

それでは再生してみましょう。
Loopback とほぼ同じようにトランスポートコントロールで再生/停止ですね。



左から、先頭に戻るボタンと、真ん中が再生/停止で、右がサイクルボタンで
これがオンになっていると繰り返しループを再生してくれます。

再生してみると・・・まぁこんな感じですね(^ ^;

・機能コントロールボタン



左から3つは、Loopback と同じですね。

右端の2つのボタンは、マーカーの移動ボタンだそうです。
今回の音源はマーカーの設定がないので、後で確認してみたいと思います。
ちなみに前のマーカーに戻るボタンはとりあえず先頭に戻ってくれますね。

マーカーが無い場合は、後で出てくる同期がオンなら8小節、オフなら20秒戻るのだ
そうです。長い音源で場所を探るときに便利なようにかな。

・ポップアップメニュー



これもLoopbackと同じような感じです。

SYNC をオンにすれば、このループのテンポがパッチのテンポと同期してくれるはずです。
オンにすると・・・時間のメモリが拍のメモリに!

 

情報ディスプレイの表示も拍表示に。
テンポももとの135からパッチのテンポの100になってくれました。

  

さぁもう一回再生しましょう。

・・・・確かにピッチはそのままにゆっくりになったけど、ちょっと無理があるかなぁ
音源が適していなかったかも。それにちょっとテンポ差が大きかったかな。
120ぐらいでやってみると、まあいいかな。今度は早くして140にするとこれは
きれいにいっていますね。

あと、情報ディスプレイの右端の PITCH では、SYNCがオンの場合ピッチの変更が
できるようになります。画面でダブルクリックで数値を入力するか、ドラッグすることで
数値を変えられます。半音とセント(半音の1/100)で細かく設定ができます。



聴いた感じ OK です。

■ Flex (アクションメニュー)

テンポが変えられるのは、新しい機能のFlex の技術を使っているのですね。



4つのモードがあって、それぞれ速度変更のロジックが違うようです。
音源のタイプによって最適なロジックを使うのが良いのですね。
詳しくはマニュアルを見てみてください。

デフォルト設定は、トランジェントマーカーでスライスしてテンポに合わせて再生する
Slicer になっていて、リズミカルな素材に向いているものだそうです。
最後の Polyphonic はフェイズボコーダーを使って素材をタイムストレッチする・・・
うーん分らない(T_T) 今度勉強しよう。
いずれにしてもコード系の素材に向いているそうです。

確かに Polyphonic の方がはまるかな。

・マーカー設定

今回の素材はマーカーが無かったのですが、なんとPlayback 上でもマーカーが設定
できるのですね。

マーカーを付けたいところで Control キーを押しながらクリックしてメニューを
表示させて、Add Marker でマーカー設定ができます。



下のポップアップメニューの SNAP TO と関係があって小節や拍のどこでスナップさせる
か決まるのかと思いましたが、基本近い拍でマーカーが設定されるようです。

■ 普通のオーディオファイルを読み込んでみる

今度はCDから取り込んだ iTunes の mp3ファイル を読み込んでみたいと思います。

と思ったら、mp3 は読み込めないんですね(^ ^;
AIFF は大丈夫そうなので、Logic Pro で AIFF フォーマットに変換してみます。

右上の 「メディア」をクリックして「ビン」タブを選択。オーディオファイルメニュー
からさらに「オーディオファイルを追加」を選択します。



続いて対象の mp3 ファイルを選択して、真ん中左の「追加」ボタンをクリックして
mp3 ファイルを追加します。そして右下の終了ボタンをクリックしてLogic Pro への
読込みが完了です。



続いて、「オーディオファイル」メニューから「ファイルをコピー/変換」を選択します。



次の画面でファイルフォーマットに「AIFF」を設定して、右下の保存をクリックします。



これでAIFFファイルが完成です。ファイルの場所が分らない場合は、「オーディオファイル」
メニューから「ファイルを Finder に表示」を実行するとすぐにわかります。

  

今度は、オーディオファイルをチャンネルストリップにドラッグして Playback 用の
チャンネルを作ることにします。



Playback がソフトウェア音源に設定されて、さらにオーディオファイルが読み込まれた
状態になっています(^ ^)

今回は普通のオーディオファイルなので、テンポ情報もなくSYNC モードが選択できない
ようになっています。
残念ですが、単純にそのまま再生をするだけになるのですね。

■再生のタイミング

アクションメニューから、パッチやセットを変更したタイミングで再生するか、
再生ボタンで再生を開始するかを選択できるようになっています。



私の場合は、再生ボタンをスクリーンコントロールに割り当てて、PCR-30でコントロール
することになると思います。

----

なんとなく、一通り見てきたような気がしますが・・・
これで一度ライブをする気になって具体的に作り込んでみますね。

きっと忘れてたり、分っていなかったりすることが沢山出てくると思うので、
その時はまたご報告します!