Saturday, September 19, 2009

ソフト音源 - EXS24 に挑戦!(第4回)

第4回は、インストゥルメントエディタの重要なキーワードとなっている「グループ」
について見ていきたいと思います。

■グループとは

ゾーンは、読み込まれた個々のサンプル(オーディオファイル)そのもので、キーの範囲、
音量などのいくつかのパラメータ設定を含んでいます。

グループは、1つまたは複数のゾーンに割り当てることができて、ゾーンと同じパラメータ
や、ゾーンにはないグループ独自のパラメータ設定をおこなうことができます。

今まで見てきたように、グループを作らなくてもかまいません。
「グループ化されていないゾーン」に全てのゾーンが含まれることになります。


まずは、グループで何ができるか実際に見てみましょう。

■グループビュー

グループを取り扱う時はインストゥルメントエディタ左上の「グループ」ボタンを
クリックしてグループビューに切り替えます。



グループの作成などはメニューの「グループ」から行うことができますが・・・

ゾーンビューでゾーンを下のように何も無いエリアにドラッグ&ドロップすることで、
簡単にグループを作成することができます。



また、同じグループフォルダにゾーンをドラッグ&ドロップすると、ゾーンを
対象のグループに含めることができるわけです。

1つのグループに今までに作った3つのゾーンを入れてみました。
ゾーンビューで見るとこんな感じです。



ちなみに option キーを押したままドラッグ&ドロップするとゾーンがコピーされます。
一つのサンプルを複数のグループに属させたいときは、サンプルの複製を作ることに
なるのですね。

■グループのパラメータ

それでは、またグループのパラメータをひとつひとつ見ていくことにします。



・キーの範囲、ベロシティの範囲、Output

これらは、ゾーンでも出てきたパラメータです。

グループに属している全てのゾーンにこの値が適用されることになりますので、
全て同じ設定で問題なければゾーンでは何も設定せずにグループ設定すれば
よいわけです。

これがグループの目的の一つになります。

ただ、ゾーンにもグループにもパラメータが設定されている場合、どちらが優先
されるのでしょう・・・

簡単な例で試してみます。
左がゾーンのキー範囲設定で右がグループのキー範囲設定です。
この場合は、グループの設定が優先されてC2からE2までしか音がなりませんでした。
     

じゃあゾーンは変えずに、グループをゾーンとかぶらないように変更したら・・・


音がなりません。

つまり、ゾーンの設定の範囲で、グループの設定が優先されることになるわけですね。
音量とか他の重複パラメータも同様になっていますので注意が必要です。

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・ポリフォニック

これは同時発音数です。1〜16と「最大」に設定できるようになっています。
最大の場合は、EXS24のパラメータウィンドウの真ん中上部にある Voices の設定に
従うということになるようです。この場合は20ということですね。



ポリフォニックに関して、マニュアルに面白いことが書いてありましたよ。
オープンハイハットとクローズハイハットを同じグループに入れて、ポリフォニンックを
1にすると・・・どちらかがなっている時は他方はミュートされて、リアルな感じに
なるというものです。

グループの使い方のイメージが湧きますね(^ ^)

・トリガ

キーダウンとキーリリースの設定ができます。へぇ〜ここでできるんだ(笑



それぞれに別々の音源を割り当てることができるので、ハープシコードなどはこれを
使っているのでしょうね。

おーっ。しっかり使ってました(^ ^)



・ディケイ、時間

キーリリースを設定した時のみ設定が可能になります
ディケイにチェックを入れて音が消えるまでの時間をセットします。
マニュアルには単位が書いていないですが、ミリ秒ですね。きっと。

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・カットオフ、レゾナンス

カットオフやレゾナンスは「ソフト音源 - es-e を触ってみよう!(第1回)」に
出てきたものと同じです。

カットオフはローパスフィルタで高音の倍音成分を調整することができて、レゾナンス
はカットオフ周波数付近の周波数成分を強調(フィードバック)するものですね。

ただ、ここではオフセットということですから、実際のパラメータ値ではなくて、
パラメータウィンドウでセットした値からどの程度上下するかを設定するわけですね。



グループ単位でカットオフやレゾナンスの掛かり具合の強弱をつけることができる
ので、ドラムのように複数のタイプの異なるサンプルを含む場合に効果を発揮します。

・エンベロープ1オフセット、エンベロープ2オフセット

エンベロープ1はフィルタ用で、エンベロープ2は音量用ですね。
パラメータウィンドウの ENV1 と ENV2 でセットされた内容のオフセット値を
ここで設定することで、グループ単位に異なるエンベロープを設定できるように
なります。



ADSR も「ソフト音源 - es-e を触ってみよう!(第1回)」で触れていますので
そちらを見ていただければと思います。

ただ、ここでは ADSR に H が加わっていますね。 なんでしょう・・・

Hはアタックで最大音量まで到達した後、どの程度の時間最大音量を維持するかという
ホールド時間だそうです。
パラメータウィンドウにある Time Curve とも少し違うみたいですね・・・

機能は理解できますが、パラメータウィンドウとの関係はよくわかりませんでした。

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・グループを選択

最後のパラメータになりました!
少し難しいです(^ ^;

設定しなければ、普通に指定したキー範囲やベロシティでサンプルが再生される
わけですが・・・

設定すると、特定イベントが発生した場合のみ、それがトリガとなってグループに
属しているサンプルが再生されるというものなのです。

例では、弦楽器のスタッカートやレガートがあげられています。
これらは通常別サンプルになっていますが、一連の演奏の中で使い分けたいわけ
ですよね。

例えばサンプルを割り振らないキーを用意しておいて、そのキーをイベントとして
使うことで、自由にスタッカートとレガートを出し分けることができます。

タイプはイベントの種類を表していて、モジュレーションホイール、ピッチベンドや
外部からのMIDI信号等、色々なイベントをトリガとして設定できるようになっています。



タイプ以降のパラメータはイベントのタイプによって入力値や、入力できるものが
変わります。

とにかくやってみるをモットーにしていますが、ちょっと全部は無理そうです(^ ^;
なので簡単なのを一つだけトライしてみることにしました・・・

■グループを選択に挑戦

雨の音 rain1 と雷の音 Thunder and Lightning 2 をゾーンに読み込んで
それぞれをGroup 1 と Group 2 という別々のグループに割り振ってみます。

キーの範囲は両方ともC2〜B2で、ベロシティはセットしません。

そして、「グループを選択」でそれぞれに特定のノートを指定して、いざ実行です!

 (上が Rain で、下が Thunder です)

C1を押した後にC2〜B2のキーを押すと雷が聞こえて、D1を押した後に
同じ気を押すと雨の音になります。

ということで、機能の確認終了!
全く現実に即していませんが、機能の確認という意味ではあってますよね(^ ^;

■「グループを選択」の条件追加

「グループを選択」の右上に[-]と[+]がありますが、[+]をクリックすると下のように
グループを選択が増えます。[-]で当然条件が減ることになります。



条件をさらに増やすことができるのですね。かなり複雑なコントロールができそう
ですが・・・私にはもう十分です(笑

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これで大体イントゥルメントエディタを理解することが出来たように思います(^ ^)

これらの機能を駆使すれば、かなりユニークなサンプリング音源を作ることが
できそうですね。

ではまた!

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