今回はLogic Studio に付属しているバーチャルアナログシンセサイザーの es-e に
触れてみようと思います。
私自身はPCM音源やプリセットに頼りきってましたので、興味があって少し勉強した
こともありましたが、音を作り込んで録音するようなことはありませんでした。
Logic Studioの中でも最もシンプルなシンセだと思うes-eを使ってみて、アナログシンセを
もう一度最初から勉強し直してみようと思います!
というわけで、ここでは専門的なことは期待しないでくださいね(^ ^;
興味があるけど触ったことが無い方に参考になると良いのですが・・・
■es-e (es ensemble) とは?
es-e の頭の e は、そもそもLogicを開発したEmagic社のEでしょうか?
かなり古くから存在していましたよね。
8ボイス・ポリフォニックシンセサイザーということで、同時に8音まで音を出せる
減算方式のアナログシンセサイザーをシミュレートしています。
減算方式って? これはまた後ほど・・・
マニュアルにはパッド系の、曲を包み込む音作りに最適とありますね。
違う言い方をすると、あまり複雑なことはできないということだと思います(^ ^;
ただ、音のスタイルを明確にすることで、その目的のためには使いやすく、シンプルに
することができるのでしょう。
このつまみの少なさは、もしかしたら理解できるかも!という気にさせてくれます(^ ^)
■効果無しの状態
上に貼付けたes-eの画面ですが、全てのパラメータを基本的に効果がかかっていない状態に
してみました。
その状態で、効果を加えるとどんな風に変化するのか耳で感じていきたい思います。
ただし、Speed だけは音を聞いた時のわかりやすさから、半分のメモリの効果をかけました。
それでは各パラメータに目を移していってみましょう。
■Wave
オシレータという音を出す発信回路の波形を選択します。
上の設定はノコギリ波(鋸歯状波)で、全ての整数の倍音を持つ音だそうです。
倍音は、440KHzの音を例に取ると、2倍音が880KHz(1オクターブ上)、3倍音が1320KHz
4倍音が・・・というふうになります。ベースとなる音(基音)に、これらの倍音が組み合わさって
音色を 特徴付けることになります。
このノコギリ波は、同じく倍音を沢山含む弦楽器や金管楽器の音を作るのに使われ、また
シンセベースの音もこれをよく使うそうです。
es-eではノコギリ波の他に矩形波(くけいは)というカクカクした形の波形も用意されて
います。
試してみると音色が微妙に違うのがわかります。
こちらは、全ての整数倍音ではなくて、奇数倍音が含まれています。
実際の楽器ではクラリネットがこの特性をもっているのだそうです。
ノコギリ波はパルス幅がつまみで可変になるようになっています。
パルス幅が変わると倍音の含まれ方が変化するらしく、音色が微妙に変わってきますね。
減算方式の意味するところは、これらの波形から、フィルターというものを使って
特定の周波数成分をカットして音作りをする・・・ということなのです。
■Cutoff (カットオフ)
減算方式の主役の一人がこのカットオフになります。
ノコギリ波にしても、矩形波にしても、一つの音には複数の倍音が含まれていて、
幅の広い周波数を持っていることになります。
このカットオフは「ローパスフィルタ」で、低い(ロウ)周波数を通す(パス)フィルタ
となっています。
低いってどの程度?
それを決めるのがこのつまみになるわけです。
このつまみが指し示す周波数は「カットオフ周波数」と呼ばれていて、この周波数の上を
カットして、下を通すことになります。
クラリネットとにた音構造を持つという矩形波を使って、クラリネットに近い音を作って
みたいですね。
Wave で矩形波を選択して、少しカットオフ周波数を下げて高い周波数を落として
みましょう。
気持ち近づいた感じしませんか?
■Attack/Release
もっと近づけてみましょう。
今の設定では鍵盤を押すとすぐに音が出ます。
でも実際は息を吹き出してから音が目的の音量になるまで少し時間がかかりますよね。
Attackはこの立ち上がりの時間を設定することができます。
それから、今の設定では鍵盤を離してからすぐにプチっと音がなくなります。
息を止めても完全に音がとまるまで、また響きがとまるまでにも少し時間がありますよね。
Releaseは鍵盤を離してから音が無くなるまでの時間を設定することができます。
また少し近づいたと思いませんか?
【ADSR envelope】
Attack/Release は時間とともにどのように音量が変化するかという設定になります。
es-e ではAttack/Releaseの2つだけですが、一般的には以下のようなパラメータが
使われています。
A: Attack Time・・・鍵盤を押してから最大音量まで到達する時間
D: Decay Time・・・Sで設定される持続音量に至るまでの時間
S: Sustain Level・・・鍵盤を押している間の音量
R: Release Time・・・鍵盤を離してから音のレベルがゼロになるまでの時間
音を特定の形に包み込んでいる、時間とともに変化するこの形をエンベロープと言って、
このエンベロープを生成する機能をエンベロープジェネレータ(EG)と呼んでいます。
これらのパラメータは、es-eのように簡素化されたものもあれば、もっと複雑な設定が
できるように、更に多くの設定ができるようになっているシンセもあります。
■おまけ
ちなみにエディタ画面上のメニューの「表示」から「コントロール」を選ぶと下のような
画面になります。パラメータの羅列であまり楽しくありませんが、数値を見ることが
できるので良いですね。
ここでは、「エディタ」では見ることができない二つのパラメータがあります。
一番下にある[Pos.Bender Range]と[Neg.Bender Range]です。
これは、一般的にキーボードの左側にあるベンダーレバーを左右に動かした時の音の変化
レベルが半音単位で記述できるようです。
初期では12になっていますので、ちょうど1オクターブアップすることになります。
Negはレバーを左に動かした時の下への変化ですが、Pos PB となっていて、Pos で指定した
上への変化レベルと同じということを指しています。
ということは上と下のレンジを変えることができるわけですね。
―――――
こんなシンプルなシンセなのに、随分長くなってしまいました。
まだ半分以上ありそうですが・・・次で終わらすぞぉ〜!
追記:次で終わりませんでした・・・
■ソフト音源 - es-e を触ってみよう!(第2回)
■ソフト音源 - es-e を触ってみよう!(第3回)
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