Sunday, January 3, 2010

ソフトウェア音源・Sculpture の巻(4)

A Happy New Year !! です
今年は今までで一番深く音楽にのめり込む年にしたいですね(^ ^)

このブログも少しペースダウン気味ですが、今年もいろんなことを勉強して
少しでも役に立つ情報をご提供できるようにがんばります!

さぁ、前回の続きです。

ソフトウェア音源・Sculpture の巻(3)では、ピックアップで拾った弦の音に、
振幅エンベロープを通すことで、音量に時間的な変化を加えました。

今回はさらに Waveshaper と Filter で音に味付けするところを見ていきたいと思います。

■ Waveshaper



WAVESHAPER というボタンをクリックして文字が水色になるとONの状態となります。

うーん、でもWaveshaper ってなんでしょう(^ ^;
そんな機能が他のシンセサイザにもあることは何となく知っていましたが・・・
「波形を成形する」というような意味ですよね。

Sculpture では、ウェーブ・シェイピング・カーブと呼ばれる予め用意されたいくつかの
波形データ(関数のようなもの)を使って、ピックアップで拾ったインプット信号を
出力信号にマッピングして、倍音成分に変化を与えます。

ウェーブ・シェイピング・カーブは中央の Type の上のボタンをクリックすると
表示され、4種類の中から選択できるようになります。



言葉でなんとなく想像がつくものの、マニュアルには詳しく書かれていないので、
具体的なところはよくわからないのです(^ ^;

例えば、Tube-like distortion はその言葉の通り、管が震えて音が鳴る時の
歪のようなものを加えてくれているように思います。

※コメントでご指摘をいただいて、これは管の歪ではなくて、真空管の歪を
エミュレートしたものだそうです。訂正させて頂ます m(_ _)m 2010/1/11

限られた物理モデルだけでは表現が不足するところを補ってくれるのですね。
それぞれ特徴的ですので、ご自身で試してみてください(^ ^;

・ Input Scale



これは、Waveshaper への入力信号のレベルを設定するものだそうです。
"+" にすると増幅して、"−" にすると減衰して Waveshaper に入力することになります。

ただし、出力される信号は変わらないように補正されますので、ここで変わるのは
音色だけです。
"+" にすると音色の変化が大きくなって倍音成分が増え、"−" にするとインプット信号
(元の音)に限りなく近くなります。

・ Variation



4種類のタイプごとに、ちょっとした変化を加えるツマミのようです。
これまた難しい(^ ^;

Vari Drive の場合は、ウェットとドライの比率を変化させるということで、
"−" にすると元のインプット信号の比率が大きくなります。

それ以外では、シェイピング・カーブの対称性を変えるそうです。
対称性って?
すみません・・・まったくわかりません(笑

試してみた感じでは "−"にすると音が柔らかく、"+"にすると音が明るくなる印象を
受けました。

■ Filter



Waveshaper で味付けされた信号は次に Filter を通ります。

Waveshaper と同じように FILTER ボタンをクリックして水色にするとONとなります。

Filter では、ある周波数帯域の信号の通過や抑制を制御して、音色に変化を与えます。

・Filter Type

Filter の設定方法が Filter Type として5種類用意されていて、どれか一つを選択
することになります。



Low Pass Filter は ソフト音源 - es-e を触ってみよう!(第1回)にも出てきましたが
カットオフ周波数というある特定の周波数より低い周波数を通過させる Filter です。

高い周波数の倍音成分を抑えることで、音が柔らかくなるような感じです。

Hi Pass はその逆ですね。カットオフ周波数より高い周波数を通過させて、低い周波数
を抑えることになります。

Bandpass はカットオフ周波数付近の帯域を通過させ、それ以外を抑えます。

Notch は Bandpass の逆で、カットオフ周波数付近の帯域を抑え、それ以外を通過
させます。

ということで、以上4つについては、どの周波数帯域を通過させるかを制御する
ことで、音色に変化を与えることになります。

最後に Peak ですが、これはある特定の周波数付近のレベルを上げる Filter に
なっています。Bandpass と少しにていますが、特定の周波数付近以外を抑えずに
そのまま通すところが異なりますね。

・Cutoff



Filter の位置を特定するカットオフ周波数はここで決定されます。
左に回すと低い周波数に、右に回すと高い周波数に設定されます。

Peak ではカットオフ周波数という名前は適当ではないかもしれませんが、
レベルを上げる周波数帯域を決定するのは、この Cutoff になっているようです。

・Resonance

Hipass と Lowpass では es-e のそれと同じように、カットオフ周波数付近の
信号を強調する度合いを設定します。音の性格を決めるカットオフ周波数を
強調することで、音の変化を際立たせるのでしょうね。

Peak, Bandpass, Notch では役割が異なって、帯域幅を決定することになります。
右に回すほど対象となる帯域幅が狭くなりますので、PeakやBandpassでは音に大きな
変化が生まれます。逆にNotchで大域幅を狭くするということは、抑える周波数帯域が
ほとんどなくなることを意味しますので、変化がなくなります。

・ Key

キーボードの高音では明るく(倍音成分が多く)、低音部分では柔らかく(倍音成分
が少なく)なる度合いを設定します。
つまりキーボードの位置で、カットオフ周波数が変化するということになりますね。
Key を右に回すほどその度合が強く、一番左ではこの機能が無効になります。

・Velo Sens

キーボードを強く叩くとカットオフ周波数が高くなるという、ベロシティ感度を
設定します。
Velo Sens を右に回すほどその度合いが強く、一番左ではこの機能が無効になります。

Key も Velo Sens もリアルな楽器の特性を倣ったものですね。

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次回は Delay です。
他の機能にも寄り道をしながら、気長に進めていきます(^ ^;

それではまた!

2 comments:

  1. 暫くSculptureを使っていなかったので、短時間でおさらいが出来て助かりました。ありがとうございます。
    ところで、Tube-Likeは管楽器ではなくて、真空管の歪みをエミュレートしているのだと思います。

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  2. >ところで、Tube-Likeは管楽器ではなくて、真空管の歪みをエミュレートしているのだと思います。

    そうなんですね。
    ご指摘ありがとうございます!
    いい加減な事を書いてしまってお恥ずかしい(^ ^;
    記事の方にも触れさせて頂ますね。

    また何か間違いがありましたら、どんどんご指摘いただけると助かります。

    宜しくお願いいたします。

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