Monday, March 30, 2009

サンプルレート問題(分散処理)

前回に続いて、サンプルレートを92KHzにした場合の雑音+エラーの
問題解決に向けての試み第2弾です

実は、自宅に Mac が複数台あるので、Logic Pro が提供する
「分散オーディオ処理」試してみることにしました。

■分散オーディオ処理

まさにCPUを酷使する ソフトウェア音源のSculpture や デジタルリバーブの
Space Designer 等のために、他の Mac の CPU を拝借して、今回私が経験
したようなCPUのオーバーロードを解決するというもののようです。

これは期待できます!

■システム要件

Logic Pro が動いているマシンをプライマリと呼んで、CPUを貸す側のマシンを
ノードマシンと呼ぶそうです。

1.プライマリとノードマシン双方がギガビットイーサのポートを持っていて、
  ギガビットの通信が行える環境であることが必要です。
  最近のAppleのマシンはギガビットが標準ですし、ルータで使っている
  Time Capsule もギガビット対応なので私の環境ではOKです。

2.ノードマシンはG5かIntelベースのプロセッサを使用していること。
  今回は、Mac book/2.0GHz Intel Core 2 Duo を使いますので、
  これもOKです。

■ノードマシンの設定

Logic Pro のインストールDVDに「Logic Pro Node」が含まれている
とのことですが、私の場合、Logic Studio がインストールされている
プライマリマシンのアプリケーションフォルダのなかのユーティリティ
フォルダに最新の「Logic Pro Node」のインストーラあったので、それを
使いました。


このインストーラをノードマシンにコピーして、通常のアプリケーションと
同様にインストールします。

そして「Logic Node Pro」をダブルクリックで起動・・・で終わり
みたいです・・・簡単で拍子抜けですが。

■プライマリマシンの設定

アレンジウィンドウのツールバーの環境設定をクリックして「オーディオ」
を選択し、さらに「ノード」タブをクリックします。


ノードマシン名がちゃんと表示されていますね。
ネットワークでつながっていて、ノードマシンの「Logic Pro Node」
が起動していれば問題なく表示されるようです。
ただ、OS X のソフトウェアファイアウォールは無効にする必要が
あるので、この点は要注意です。

ここで、上の図のように「Logic Nodes を有効にする」と、該当の
マシンにチェックを入れれば基本的な設定が完了です。

■トラックの設定

最後にどのトラックを分散処理の対象とするのかを指定する
必要があります。
幾つか方法があるようですが、私はトラックヘッダの上で、
Control キーを押しながらクリックして以下のメニューから
「トラックヘッダを設定」選択します。


そこで「ノード」をチェックして、「トラック・ノード・ボタン」
がトラックヘッダに表示されるように設定します。



そして該当のトラックでこのボタンをクリックすると表示が以下の
ように変わります。


上の「トラック・ノード・ボタン」は分散処理の対象になっていない
状態で、クリックすると下の様にアイコンが変わり、さらにノードでの
処理が可能な場合は緑が点灯します。

さて実際に演奏です。
CPUの状況は・・・



ノードのメータが新たに表示されて、見事に分散されてCPUの
オーバーロードが解消されているのがわかります!

これで解決です・・・と言いたいところですが(^ ^;

レイテンシーが少し高くて、録音したものをプレイバックするときは問題
ないのですが、ライブ演奏では発音が結構遅れますね。
ちょっと気になります。

有効だということは分かりましたが、私のケースでは夢のような解決策
ではなかったようです。

■Logic Node の注意点

マニュアルに記載されていますが、サンプリング系のシンセは、サンプリング
データをプライマリ-ノード間でやり取りすることがそもそも現実的ではない
とういことで、ノードで処理できないようです。(EXS24 と Ultrabeat)
他にもノードで処理できないケースがあるので注意が必要ですが、このような
ものは逆にCPUを酷使しないのであまり問題ではないように思いました。

以上になりますが、この方法もレイテンシの問題があることがわかりましたので、
あともう一つだけ試してみることにします。

それはまた次回に・・・

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