Saturday, March 13, 2010

ソフトウェア音源・Sculpture の巻(10)

ついに Sculpture の最終回です!

とっても難しそうなモーフィングなのですが、はたして
うまくまとめることができるでしょうか(^ ^;



■モーフィングとは?

Sculpture のモーフィングとは何でしょう。

あるパラメータ設定の音から、別のパラメータ設定の音へ、自然に、
スムーズに変化させることを指しているようです。

全部のパラメータが対象になるのでしょうか?

答え:いいえ

Sculpture ではパラメータの設定状態が、オレンジと水色の帯で
表示されていますが、オレンジ色のパラメータがモーフィング対象
だったのです! そうだったのかぁ(^ ^;



オレンジの一つまたは複数のパラメータを色々操作して、音を作って
ある場所にキープします。どこにキープするかは後ほど(^ ^)
これをスナップショットと呼ぶそうです。

また同じようにオレンジのパラメータを自由に操作して別の
スナップショットを作成して、ある場所にキープします。

そして、これらのスナップショット間をモーフィングさせて、音に
スムーズな変化を与えるわけですね。

では、どこにスナップショットをキープするのかですが・・・

・モーフパッド

下の画像はモーフパッドと呼ばれていて、真ん中と、四隅に
A, B, C, D というモーフポイントというスポットがあって、
クリックすると選択状態を示す2重の円が表示されます。



このモーフポイントにスナップショットを格納するイメージになります。
つまり5つまでのパラメータの状態をキープできるのです。

上の例は、Warped Sculptures -> Air Machine ですが、それぞれの
モーフポイントをクリックすると、オレンジのパラメータが
変化するのを見ることができます。

またクリックした状態でオレンジのパラメータを変更すると、
「保存」のようなアクションを伴わずに、簡単にスナップショットが
変更されます。

さて・・・

モーフパッド上の線ですが、これは鍵盤を押してから時間と共に
音が変化する軌跡になります。
線は点の集まりですが、モーフパッド上の点は5つのスナップショット
との位置関係で、どのようなパラメータ設定、つまり音にになるかが
決まります。

Air Machine の場合、鍵盤を押すと中心から赤い点がモーフパッド上
の線をなぞって動きますが、それに合わせて音が真ん中の状態から
徐々に右上の状態に変化していって、徐々に真ん中と下二つの
音の中間的な設定に変化して・・・・という感じで音がモーフィング
していきます。

どうでしょう?
かなり苦しい説明ですが、おわかり頂けますでしょうか(^ ^;

■モーフエンベロープ

次はモーフエンベロープという、前回のエンベロープととても
良く似たコントローラです。



モーフパッドが音の変化を表しているのに対して、エンベロープは
それを時間軸に並べたものになります。
○印が前回同様にノード(ハンドラー)と呼ばれていて、モーフパッド
のノードと対応しています。
ある音から次の音へどれくらいの時間で動くかを表していることになります。

右上の sync/ms も前回同様ですね。Logic の拍や小節のモードで時間を
設定するのか、ミリ秒で設定するかを決定します。

・Pad

左上の Pad/Env は何を指しているのでしょうか。

Pad だけ ON にしてみると、先程の線やノードが消えてしまいました。



鍵盤を押してモーフパッド上の赤い球体をドラッグするとモーフィング
が機能します。この球体をモーフカーソルと呼ぶようです。

もし XY MIDI コントローラがあれば、それを使ってモーフィング
をコントロールすることができます。
例えばKORG の nanoPAD とかきっと使えるんでしょうね。

http://www.korg.co.jp/Product/Synthesizer/nano/nanoPAD.html

Midi Controller Assign で XY コントロールも設定できますので、
とりあえずモジュレーションホイールをX軸にアサインして
試してみるのもありですね(^ ^;



・Env

今度はEnv(エンベロープ)だけ ON にしてみました。
モーフパッド上の軌跡が復活しましたが、モーフカーソルは
消えましたよ。



予め記録されたモーフィングエンベロープに沿ってだけ音が変化します。

因みに、モーフパッド上のノードをクリックすると、オレンジになって、
それと対応するエンベロープのノードもオレンジになります。
その逆もできます。

・Pad/Env

Pad と Env を両方 ON に するとモーフィングエンベロープと
モーフカーソルが両方とも表示されました。



なんと、音を弾きながらモーフカーソルを動かすと、
モーフパッド上の軌跡が固定された状態で上下左右に動きます。

エンベロープの動きにコントローラ(カーソル)の動きが加算
されるということになりますね。

実はこれ、Pad Mode というパラメータによって動き方が
決まるようで、Offset になっているために、このような
変化になるようです。

・Pad Mode

Offset 以外はどうでしょう。



Point Set では、まずどれか一つのノードを選択する必要があって、
そのノードだけがコントローラもしくはドラッグで変化します。

Point Solo も基本的に同じなのですが、エンベロープは機能
せずに、選択したノードの音に固定されて、コントローラの
動きだけで音が変化することになります。

気持ち的には Pad + Env じゃないような気もしますが(^ ^;

・Sustain Mode



これは、Scan via CtrlB を除いて、前回のエンベロープと
全く同じですね。鍵盤操作とノード間の関係性や動きを
ノード間の遷移を定義するものになります。

Scan via CtrlB 面白いですよ!

MIDI Controller Assign で CtrlB に設定したコントローラで
エンベロープの軌跡を自由に行ったり来たりできるんです。
この動きをここではスキャンと呼んでいるのですね。

・Time Scale



これも前回のエンベロープと同じで、エンベロープの形を保った
まま、時間だけ伸び縮みさせるための倍率を%で設定します。

・Record Trigger

これもまた前回と同様ですね。
R ボタンをクリックして記録モードにして、コントローラ
を動かすと、その軌跡を記録してくれるのです。
マウスでモーフカーソルを動かしてもOKです!



記録のトリガーの選択肢も前回同様ですね。

手動でやったらこんな感じに(笑




次はエンベロープの右にあるパラメータを見ていきます。



・Depth

ノブを回すと、わぁ〜、モーフパッド上の軌跡が大きくなったり
小さくなったり。
ある意味変化の強さが変わることになりますね。

・Modulation / Source

Source で選択したソースによって Depth に変化を与えることが
できるようになって、その強さをModulation のノブで調節します。



例えば Velocity を選べば、鍵盤を叩く強さによって、Depth に変化を
与えることができて、弱く叩けばモーフの変化が少なくなるような
設定が可能になります。

・Transition

モーフポイント間の動きにバリエーションが加わります。
直線が乱れた曲線になったり、スムーズに動かなくなったりします。

■ランダマイズ



・Rnd

モーフパッドの右側にある Rnd ボタンはランダマイズボタンで
モーフの対象となるオレンジのパラメータをランダムに変更
してくれます。

・Int

その下の縦スライダの Int(Intensity)はランダマイズの強度
を表していて、大きくすればするほど、めちゃくちゃに変わる
わけですね。

・ポイントボタン

モーフパッドの左側にあるサイコロの目のような4つの
アイコンはポイントボタンと呼ばれていて、ランダマイズの
対象となるモーフポイントを選択します。

一番下のアイコンは、マウスで選択されたポインタを対象に
ランダマイズをすることを指しています。

----

なんとか終わりました!
ちゃんと推敲してみたいですが、読み返して整理する気力が(^ ^;

よく Sculpture の狭い画面に、これだけ多くの機能を盛り込んで
いますよね。UI が良くできているのでしょうね(^ ^)

よーし、Sculptureを駆使して創造的な音楽を作るぞぉ・・・ (- -)zzz

No comments:

Post a Comment